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『Ebony&ivory

Epic Records Japan ESCL 2646 
\3,059(tax)

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1.Prologue〜君を抱いて眠りたい〜
作詞:松井五郎、作曲:UZA、編曲:橘 哲夫

2.その愛のもとに(With Your Love)
作詞:安岡 優、作曲:黒沢薫・妹尾武、編曲:中野雅仁

3.明日 〜Find our way〜
作詞:西尾佐栄子、作曲・編曲:中崎英也

4.涙
作詞・作曲:ハマモトヒロユキ、編曲:村山晋一郎

5.Ebony & Ivory

作詞:松井五郎、作曲:村上てつや・妹尾武、編曲:K-Muto

6.最後のレビュー
作詞・作曲・編曲:角松敏生
7.夢追い人
作詞:大下きつま、作曲:松尾清憲、編曲:大野宏明

8.Body TALK
作詞:松井五郎、作曲:Char、編曲:有賀啓雄

9.Unforgettable
作詞:松井五郎、作曲:鈴木雅之、編曲:大野宏明

10.Stand By Me
作詞:Ben E.King・Jelly Leiber・Mike Stoller 編曲:大野宏明

11.Passage of Time
作詞:松井五郎、作曲:井上大輔、編曲:大野宏明

12.君を抱いて眠りたい
作詞:松井五郎、作曲:UZA、編曲:大野宏明



 1980年2月25日、一枚の衝撃的なシングルが発売され、ひとりのヴォーカリストの歌声が日本中に響き渡りました。そのナンバーはシャネルズの「ランナウェイ」。ヴォーカリストは、もちろん鈴木雅之。あの日から25年。鈴木"マーチン"雅之は、グループのリード・ヴォーカリストとして、そして1986年以降はラヴソングにこだわるソロ・ヴォーカリストとして"鈴木雅之の世界"を着実に作り上げてきました。伸びやかな声と奥行きのある歌詞とメロディー、アレンジに彩られたラヴソング。移り変わりの激しい音楽界の中で"ワン&オンリー"と呼ぶにふさわしい存在感を獲得してきたことは言うまでもないでしょう。
 歌と向き合ってきた四半世紀という時間を、鈴木雅之本人は、こんな言葉で語ります。
「オレにとっての25年っていうのは、時間の"長さ"じゃなくて、過ごした時間の"深さ"だと思ってるんだ」
 グループで大ヒットを記録し、ソロ・ヴォーカリストとして大沢誉志幸、山下達郎、小田和正、槇原敬之、ゴスペラーズ……といったアーティストと常に新鮮なコラボレートを重ねる。単に続けていただけではない"時間の深さ"。25周年という大切な年にリリースされる"記念碑"的なアルバムだからこそ、いかにしてその"深さ"を表現するのか?
 そんな自らへの問いかけへの答え、それが『Ebony & Ivory』です。クレジットに刻まれた作家陣、アレンジャー陣は、西尾佐栄子、中崎英也、松井五郎、大下きつま、松尾清憲、有賀啓雄……さらに、井上大輔。この25年間、共に"ヴォーカリスト・鈴木雅之の世界"を育んできたスタッフ、ブレーンが鈴木雅之の呼びかけに応えて集っています。しかも、角松敏生、Charと時代を共に走ってきたアーティストも参加。さらに、鈴木聖美とのデュエットがあり、桑野信義、佐藤善雄の名前もしっかりクレジットされています。
 シングル「君を抱いて眠りたい」のアカペラがオープニングを飾ります。そして3月16日にリリースされた、ゴスペラーズの黒沢薫作曲、安岡優作詞の「その愛のもとに(With Your Love)」。その最新ナンバーから始まる"鈴木雅之の世界"は、しっとりと歌い上げるバラードから21世紀のAORとでも呼びたい大人のポップチューンまで、まさにこれまでの時間を凝縮したかのようなラインナップ。中でも、今回収録された井上大輔さんの「Passage of Time」は、2000年に亡くなった彼の遺作をマーチンが心をこめて蘇らせたナンバー。
 井上作品である「ランナウェイ」でデビューしてからの25年を、決して"過去を振り返る"のではなく"現在進行形"の鈴木雅之として表現してみせる。自分とファンにとっての大切な"記念碑"でありながら、25年歌ってきたからこそできる到達点。"深さ"の意味は、この一曲にも込められています。

 タイトルは『Ebony & Ivory』。単純には"黒と白"ですが、そこにはいろいろな意味が込められています。デビュー当時から変わらないブラック・ミュージックへのこだわりと、数々の出逢いの中でヴォーカリストとして洗練され、成長していく自分自身。そんな"濃密と洗練"。曲調で言えば"バラードとダンスナンバー"。そして、アルバム・タイトル曲では、ラヴソングにこだわり続けてきたヴォーカリストらしく"男と女"にも例えられています。スティーヴィー・ワンダーとポール・マッカートニーのナンバーにもあったように、黒鍵と白鍵に象徴される、どちらが欠けても成り立たない、溶け合ってこそ"本質"が見えてくるラヴソングの世界……。タイトルにも25年間の鈴木雅之のストーリーと内面を象徴する想いが込められました。
 自分自身の25年という時間の"深さ"を見つめ直し、まるで磨き上げるような想いで一曲一曲を歌い上げる。25年のストーリーと内面が交錯し、そこに現在の"鈴木雅之の世界"が浮かび上がってくる。
 まるで鈴木雅之という"監督"が描き出すアルバムという名の短編映画集。"監督"にとって大切なスタッフと作り上げた大切にしたい"シーン"=曲に、25年間歌ってきたからこそ成しえた"演出"をほどこした贈り物。言葉では尽くせない、鈴木雅之、デビュー25周年の揺るぎない"記念碑"です。
 25周年という節目の年、記念すべき"表彰台"に向かって、様々なプロジェクトが予定されました。そのひとつには、グループでデビューしたというアイデンティティをファンと共有したいという想いから、ラッツ&スターの再集結も含まれていた、と聞いています。ご存知の通り、残念ながら、そのプロジェクトは今はかなわない夢となりました。リーダー・鈴木雅之にとっての痛みは、他人の想像を遙かに超えていると思います。鈴木雅之というヴォーカリストのヒストリー、運命、その激流を超えた次元での音楽への想いの強さ……。この稿をまとめさせていただいた筆者個人は、そのすべてが込められた歌声に、音楽の恵みを糧として生きていく私たちへのエールを感じています。音楽の魔法にかかってしまった私のうがった見方かもしれませんが。
                                                 渡辺祐(編集者)

 


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